医療法人設立の流れと認可申請、医療法人設立から法人医院開設までに必要な期間は最短でおおよそ6ヶ月程度です。

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経営コンサルティング

医療法人設立の流れと認可申請

医療法人設立と病院経営は新時代へ

従来、医療法人設立認可申請を行うスキームの代表例は、所得税法の累進課税制度の適用を緩めることによる節税効果を志向するものでした。
しかし、法人設立と同時に適用となる社会保険と保険料負担は、社会保障制度がより一層求められる環境変化と共に年次を追うごとに増大傾向にあり、単に医業経営の負担軽減のために医療法人を設立することにはリスクを伴います。
2000年代以降の医療法では、公益性をキーワードに医療法人経営における法人解散時の残余財産の帰属先が国・地方公共団体または他の医療法人等と規定されたことで、旧法以前に設立された法人の経過措置の将来性も継続した検討課題となっています。
また、従来から指摘されている中小病院経営の厳しさは引き続き顕在化が進み、事業再生のための経営戦略策定から具体的なリストラクチャリング施策・ファイナンスの手当てまで、対外的に説明可能な財務諸表の作成と高度な経営スキルでの運用が求められるようになってきました。
これらの時代の変化を踏まえ、長期的な将来の環境への可能性として、医業のみならず法令で規制される許認可事業には、適切な経営を維持するため銀行業等と同じように自己資本規制等の具体的な数値目標が掲げられることがあるかもしれず、この大きな潮流を踏まえたうえで医療法人経営を行うことが求められています。

医療法人の設立とは

医療法人を設立するには、一般の株式会社等のように自由な時期に設立することができず、法人設立には都道府県知事の認可(複数の医療法人に病院・診療所を開設する広域医療法人の場合は厚生労働大臣の認可)を得ることが必要です。
設立認可の時期は都道府県によっても変わり、医療法人件数の多い東京都、大阪府、神奈川県、埼玉県、兵庫県、千葉県、鹿児島県は年2回と決まっておりますので、医療法人の設立には綿密な準備と適切な手続の対応が要求されます。
作成する書類のボリュームは、おおよそ80~110枚×5~6部(事案および提出先により異なります)となります。充実した医療法人の設立をお考えの先生方はおよそ申請の3ヶ月までにご相談ください。

設立認可申請のながれ

面談/メールでご相談
当サイトから面談をご予約ください。日程調整のうえお話をお伺いします。ご相談のみですと有料ですが、その場でご依頼いただきますと相談料はいただきません。ご依頼を前提にご相談をご希望の場合には、契約書等をご用意いたしますので、ご印鑑をお持ちください。
 
契約および着手金授受
弊事務所では、事前に料金表をお渡しし、書面でご説明して納得していただいてから手続を進めています。
ご用意資料のご案内
手続を進めるにあたってご用意いただく書類と必要数をご案内いたします。
役所等で証明書を取得する必要がある場合でも分かりやすく説明しています。
付随手続
ご依頼いただいた手続を遂行するために、事前にその他の細かい手続をしなくてはならない場合があります。
この付随手続は、書類準備と同時並行または順番に行いますので、無駄がありません。
書類作成と手続準備
ご用意いただいた書類を元に、手続の準備を進めます。
弊事務所では、ERPシステムを導入しておりますので、圧倒的にスピーディな書類準備を実現しており、多忙な医師/歯科医師の先生の負担を最小限にとどめています。
 
手続申請
手続に必要な情報と書類が全て整ったことを確認したうえ、医療法人認可申請の法律手続を進めるかどうか決定します。
当事務所では医療法人認可申請に当り、この段階で多数の実績に基づいて総合判断をするため、これまでの初回医療法人設立手続での認可取得率は100%です。
 
事前調整と仮申請
事前審査では、各所轄官庁によって事務取扱が異なるため、認可申請を受け付ける役所の担当課で医療法人設立の個別事案ごとに設立スキームを説明します。
この説明により役所担当者の理解を促進することで、設立認可のための積極的な協力を得ます。これが当事務所の高い初回認可取得率を誇るノウハウです。
 
医療法人設立認可申請
仮申請で申請内容を確認・準備が完了しましたら、医療法人設立認可の本申請です。本申請では、法人設立時の関係者全員の実印を押印いたします。
押印については、ご希望の日柄があるお客様も出来るだけご希望に沿うようにしています。
 
医療審議会に諮問
医療審議会に諮問
 
医療審議会での審議
医療審議会での審議
 
医療審議会から答申
医療審議会から答申
 
医療法人設立認可の決裁
医療審議会の答申を受け、所管の監督官庁の認可権者が医療法人設立認可の決裁をします。この時点までスムーズにくることができれば、登記手続や法人医院開設許可等の医療法人認可取得後のスケジューリングを視野に含め、事前にスムーズな準備を進めます。
 
医療法人設立認可
長らく手続をしてきた医療法人の設立認可です。おめでとうございます。
設立認可書交付・送付がなされると、医療法人を登記して法人格を確立するための要件である認可権者の認可証を得ることができます。
 
医療法人設立登記
管轄法務局において医療法人設立登記申請を行います。現在、日本全国の各法務局は管轄事務の整理を行っており、近くの法務局が医療法人を管轄する管轄法務局とは限りませんので注意が必要です。登記手続は管轄法務局の規模と繁忙時期により変動しますが、おおよそ1~2週間前後です。
 
医療法人設立登記
医療法人設立登記完了。この時点で初めて医療法人が法人格を得て存在することになります。
 
医療法人病院/診療所開設許可申請
医療法人病院/診療所開設許可申請(管轄保健所)。ここから医療法人病院・診療所を開設するための諸手続を行います。
この付随手続は、特別な理由がある場合を除いて、一般的にご依頼いただいた手続に含んでいますので、追加費用はいただきませんが、ケースによって細かい手続が発生する場合があります。
 
医療法人病院/診療所開設許可
医療法人病院/診療所開設許可(おおよそ1ヶ月前後)
 
保険適用届事前調整
保険適用届事前調整。法人医院として開設と同時に健康保険の適用を切り替えるための入念な調整を行います。
このプロセスによって法人医院の開院時期に影響があるため、実績と経験豊富な当事務所にお任せください。
 
法人病院/診療所開設届出・保険適用届・個人病院/診療所廃止届
予定の病院・診療所の開設時期になり法人としての病院・診療所経営にスイッチします。先の医療法人病院/診療所の開設許可および保険適用の事前調整を行うことで予定通りのスムーズな移行ができます。
法人運営に移行したら、法人病院/診療所開設届出・保険適用届・個人病院/診療所廃止届(管轄保健所)を行って医療法人設立の全プロセスが終了します。
 
手続終了
書類をお返ししてご報告いたします。ご報告時に報酬金等の費用清算をお願いします。

医療法人設立に必要な書類

 1.医療法人設立認可申請書
 2.定款(寄附行為)
 3.設立当初において医療法人に所属すべき財産の財産目録
 4.設立財産目録の明細書
 5.減価償却計算書
 6.不動産鑑定評価書
 7.設立時の負債内訳書
 8.設立時の負債内訳書《リース物件用》
 9.負債(買掛金)内訳書
10.負債の説明資料
11.負債の根拠資料
12.負債残高証明及び債務引継承認願
13.買掛金引継承認願
14.リース物件一覧表
15.リース契約書写し
16.リース引継承認願
17.役員・社員名簿
18.基金拠出契約書等
19.拠出(寄附)申込書
20.預金残高証明書
21.設立総会議事録
22.設立趣意書
23.開設しようとする医療施設の概要
24.施設の案内図、見取図、平面図
25.施設の使用権原
26.覚書
27.近傍類似値について
28.建物登記簿謄本
29.土地登記簿謄本
30.設立後2年間の事業計画書
31.設立後2年間の予算書
32.予算明細書
33.職員給与費内訳書
34.履歴書
35.印鑑証明書
36.委任状
37.役員就任承諾書
38.管理者就任承諾書
39.理事長管理者医師/歯科医師免許証写し
40.理事医師/歯科医師免許証写し
41.過去2年間の実績表
42.確定申告書一式写し2年分
43.従業者名簿
44.医療従事者充足状況
45.開設届写し
46.その他
※東京都の場合の例です。

医療法人設立のよくあるご質問と回答集

※個々の条件等により多少変わることがあります。

 
  ・医療法人を設立したいのですが、資格など条件を教えてください。
  ・医療法人に種類があると聞きましたが、どんな医療法人があるのでしょうか。
  ・医療法人はいつでも設立できるのですか。
  ・法人の名前は自由に決めていいのですか。
  ・法人の主たる事務所の所在地はどこにしたらよいのですか。
  ・法人設立にあたっての財産の拠出はどういう風にどのくらいにすれば良いのですか。。
  ・個人で2年間の開業実績が必要なのは本当ですか。
  ・賃貸物件で開業したいのですが、どうしたら良いですか。
  ・MS法人(メディカル・サービス法人)とは何ですか。
  ・医師(歯科医師)以外は理事長になれないのですか。
  ・医療法人社団と医療法人財団はどう違うのですか。
  ・拠出する財産を出来るだけ少なくする方法はありますか。
  ・大学生の子どもが理事に就任することは出来ますか。
  ・理事に就任するための資格はありますか。
  ・監事に就任するための資格はありますか。
  ・監事に就任するための留意事項はありますか。
  ・理事長の兼任はできますか。
  ・基金制度とは何ですか。
  ・債務の引継ぎとは何ですか。
  ・個人医院を開設する際に、両親から借金をしました。医療法人化にあたってこの借金の取扱いを教えてください。
  ・個人医院を開設して2年目です。近く医療法人にしたいのですが、初年度が赤字でした。医療法人にできますか。
  ・一人医師医療法人とは何ですか。
  ・複数ヶ所の診療所を開設する一人医師医療法人の設立はできますか。
  ・現在、医師/歯科医師と助手・事務員のみで個人医院を経営しています。医療法人を設立する場合、看護師や歯科衛生士が必要と聞きました。本当ですか。。
  ・医療機器や備品等を医療法人に出資せずに設立後の法人と貸借したいと考えています。この取扱いは可能ですか。
  ・医療法人は中間法人だと聞いたことがあります。中間法人とは何ですか。
  ・特定医療法人とは何ですか。
  ・特別医療法人とは何ですか。
  ・租税特別措置法施行令第39条の25第1項第1号とは何ですか。
  ・医療法人化すると、税金の申告手続はどのように変更になりますか。
  ・医療法人の附帯業務とは何ですか。
  ・医療法人化すると税金はどのように変わりますか。
  ・現在個人医院を経営しています。医療法人にすると家族全体の家計への影響と家族従業員の所得はどうなりますか。
  ・医療法人化の手続で医療機器や備品等の拠出が求められました。この際の税金はどうなりますか。
  ・医療法人化した場合の消費税の課税はどのようになりますか。
  ・診療所で使用している土地・建物を個人で所有しています。診療所兼自宅なのですが、医療法人に拠出しなければならないのでしょうか。
  ・ビル・マンションの一室で診療所を開いています。医療法人にすることはできますか。
  ・医療法人設立に必要となる手続等の実費を教えてください。
  ・社会保険が強制加入と聞きましたが、どうなんでしょうか。
  ・医業未収金の出資を予定していましたら、実際の社会保険報酬が出資予定額を下回ってしまいました。どうしたらよいでしょうか。
  ・医療法人の認可が下りたら、すぐに法人医院にしてもよいのですか。
  ・医療法人化後に必要となる手続を教えてください。
  ・医療法人を運営していくときに必要となる手続を教えてください。
  ・医療法人に対する指導・監督手続は何ですか。