Business strategy reports, business matching and M&A in Japan

文字のサイズ

M&A(Mergers and Acquisitions)

類似取引比準法

類似取引比準法とは何か?

類似取引比準法とは、類似取引比較法とも言われており、評価対象の企業と事業の種類が類似する複数の上場企業のM&Aの取引額から算出される利益倍率に比準して、その取引の価格を算定する方法のこと指しています。類似取引の中で公表されている取引の値段と会社売却の対象になる企業の財務数値を照らし合わせて、それぞれの倍率を計算して該当する倍率を使って評価の対象になる会社の評価を行ってゆきます。類似取引比準法は、これまでに生じたよく似たM&A取引での取引価格が発表されていて、なおかつ買収される会社が上場企業で、財務の数値がわかっているような場合に行われる方法です。この類似取引比準法に似たものとして類似公開企業比準法があります。この方法は別々の基準で評価対象となる会社の株価が計算されるのが特徴となっています。

 

M&Aでの類似取引比準法と類似公開企業比準法の間に違い

では会社売却のM&A取引における類似取引比準法と類似公開企業比準法の間に違いはあるのでしょうか。例えば倍率の算定方法が異なります。類似取引比準法は類似取引の取引価格を基本にして倍率を算定して行きます。一方類似公開企業比準法は、類似公開企業の株式市場の取引の価格を基本に倍率が決まります。さらにコントロール・プレミアムにも違いがあります。類似取引比準法は、買収を前提とするM&A取引のケースではコントロール・プレミアムは含まれているのですが、類似公開企業比準法ではコントロール・プレミアムは含まれていない値段の設定となります。参照するデータにも違いがあります。日本ではM&A取引の情報が整っていないことから類似取引比準法では取引の件数が少ないので、倍率が適切と言えないこともあり得ます。他方類似公開企業比準法では、類似公開企業として選ばれる数は多いので、倍率は比較的適切と考えられます。類似取引比準法では買収プレミアムが加味されることから、類似会社比準法に比べて高くなることがあります。

 

M&A会社売却のお申込み

ぜひ新日本総合事務所の事業承継・M&Aアドバイザー支援サービスをご利用ください!