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JA全中が一般社団法人化②

公開日:  最終更新日:2018/05/11

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以前の記事に書いた通り、全国各地の農協組織を束ねるJA全中(全国農業協同組合中央会)は農協法改正をめぐって政府・自民党と対立していましたが、戦略を一転して服従の姿勢を打ち出しました。

そして今月始め、JA全中の会長が辞任の決意を表明しました。会長は、今回の決断が『農業者の所得拡大』と『地域の活性化』に結びつくよう、総力を挙げ、てJAグループの自己改革に取り組む」と語った上で辞任の考えを明らかにしたのです。

都道府県レベルのJA中央会などが株式会社化を含む改革を自主判断に委ねられて、今まで通り独禁法の適用除外の存在として存続できることになったのに対し、JA全中は設立根拠を農協法から削除され、強制的に一般社団法人に移行することが決まりました。さらに、下部組織の農協に対する会見監査の義務付けも廃止されます。客観的に見れば、JA全中が弱体化しているという印象がぬぐいきれません。

安倍政権が今回、特にJA全中に焦点を絞って農協改革を進めた背景には、政府が進めるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉があるのではという意見が多数あがっています。JA全中が極めて強い政治力を持っているため、米国との交渉がスムーズに進まず、このままではTPP交渉が頓挫してしまう可能性があったのです。

TPPとは、例外のない関税撤廃を原則とするとともに、幅広い分野にわたって規制・制度の変更を求められる、極めて自由化度の高い包括的協定のことです。実際にTPPによる関税撤廃が行われると、農林水産業への打撃により、地域経済・社会や国の食料自給率に大きな影響が及ぶだけでなく、医療、食の安全・安心などにかかわる仕組み・制度が変更を余儀なくされ、私たちの生活が大きく変化してしまう可能性があります。このようなことを理由に、JA全中は、消費者団体、医療関係団体、農林水産業団体など、様々な団体等と連携し、TPP反対に関して広く理解と支持を得るための取り組みを行っていました。

TPPと聞くと影響を受けるのは農業分野のみというイメージを盛りやすいのですが、実際には全部で24にものぼる分野が交渉の対象となっています。農業以外でも、例えば医療、食の安全、金融、保険、投資、雇用、人の移動、政府調達(公共事業の発注)など、国民生活に広く影響を与える可能性が考えられます。JA全中は、十分な情報開示のないままにTPP交渉に参加した場合、日本の社会システムが根幹から変わってしまう恐れがあることなども懸念しています。

安倍首相は自ら、今通常国会の施政方針演説で、JA全中に「脇役に徹してほしい」と言い渡し、「60年ぶりの農協改革を断行し、農協法に基づく中央会制度を廃止」すると宣言しました。そして、今月3日に、農協法、農業委員会法、農地法の関連3法の改正法案が決定しました。農協法の改正により、JA全中は下部組織との強固なつながりをたたれ、約700の農協に課していた賦課金(年間約80億円)を徴収する道を失う可能性が大きいです。

今回の改革は「農業改革」と銘打ってはいますが、ポイントが絞り込まれ、実際はJA全中改革であったという見方が多いです。農業への新規参入の促進や企業の農地所有の解禁、農地の転売規制の見直し、農家への補助金制度の見直し、競争力のある農産物開発など、改革すべき点は他にも多々存在します。しかし、今回はそれらの抜本策が盛り込まれていないのです。JA全中を一般社団化することで、改革の障害になっていた抵抗勢力を失くすことには成功したものの、農業全体の抜本改革はまだまだ遠い状態といえるでしょう。

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